看護師の特定行為研修および特定行為の実施について
看護師の特定行為とは、あらかじめ医師と共に作成した手順書に準じて、看護師が診療の補助を行うことです。看護師による特定行為を実施するメリットは、看護師が医療チームの一員として、患者さんの状態に応じながら、タイムリーかつ迅速に適切な医療を提供することにあります。
特定行為研修の実習
当院は、厚生労働省「特定行為に係る看護師の研修制度」の指定研修機関であり、院内外から研修生を受け入れて特定行為に係る看護師の育成を行う施設です。特定行為研修中の看護師は、指導医と連携しながら院内で実習を行っています。実習を行うにあたり身体的侵襲及び影響を伴う特定行為につきましては、対象の患者さんに対して事前に説明を行い、同意書に署名をいただいております。患者さんの安全を確保するとともに、指導医の助言や指導を受けて特定行為を実施致しますが、説明に同意した後でも研修を拒否することができます。また、拒否したことを理由に、治療および看護上の不利益を被ることはありません。
特定行為の実施
当院では、特定行為を行う上記研修を修了した看護師(特定行為看護師)が院内で活動しています。実践している特定行為は以下になります。
特定行為区分 | 特定行為 |
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栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連 | 中心静脈カテーテルの抜去 |
創傷管理関連 | 褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去 |
創傷に対する陰圧閉鎖療法 | |
感染に係る薬剤投与関連 | 感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与 |
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 |
脱水症状に対する輸液による補正 | |
呼吸器(気道確保に係るもの)関連 | 経口・経鼻用気管チューブの位置の調整 |
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 | 侵襲的陽圧換気の設定の変更 |
人工呼吸器からの離脱 | |
動脈血液ガス分析関連 | 直接動脈穿刺法による採血 |
橈骨動脈ラインの確保 | |
術後疼痛管理関連 | 硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整 |
循環動態に係る薬剤投与関連 | 持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整 |
2024年10月現在
上記にお示しした看護師の特定行為の実践に関しましては、この文面にて看護師の特定行為に同意したものと致しますが、実施前に口頭で説明させていただくこともあります。もし、同意されない場合はその場でお断りしても構いません。同意頂けない場合であっても、治療および看護上において不利益を被ることはありません。なお、看護師の特定行為についてご相談がある場合には、医療・福祉総合相談窓口までお申し出ください。ご理解とご協力をお願い致します。