前立腺密封小線源治療
密封小線源永久挿入治療とは、早期の前立腺癌において生体に無害なチタニウムカプセル(長さ約4.5mm、直径約0.8mm)に封入された放射線源(ヨウ素125)を、永久的に前立腺内に挿入して放射線を照射する治療法です。シードの数は患者さんの前立腺の大きさや形状に合わせて50~100個ほど挿入します。
挿入されたシードから約1年放射線が放出され、前立腺のがん細胞を死滅させます。
放出する放射線は徐々に弱くなり1年後にはほとんどゼロになります。放出される放射線のエネルギーが低いので前立腺周囲にある臓器に届く放射線の量は少なく、合併症の発生率が少なくなります。
また、家族など周囲の人に与える放射線の影響はほとんどありません。ただし、入院中は放射線源に対する個室管理となります。
挿入されたシードから約1年放射線が放出され、前立腺のがん細胞を死滅させます。
放出する放射線は徐々に弱くなり1年後にはほとんどゼロになります。放出される放射線のエネルギーが低いので前立腺周囲にある臓器に届く放射線の量は少なく、合併症の発生率が少なくなります。
また、家族など周囲の人に与える放射線の影響はほとんどありません。ただし、入院中は放射線源に対する個室管理となります。
体外から放射線を照射する方法との比較
先に述べたように、体外から放射線を照射する方法に比べると放射線障害の発生率は低いのですが、前立腺の周りにある臓器(直腸、膀胱、尿道)への影響は全くないわけではありません。また、適応も狭まり、腫瘍が前立腺内に限局している場合に限ります。
線源を体内に挿入するため、治療時に麻酔やアプリケータ針の刺入による侵襲は避けられません。
先に述べたように、体外から放射線を照射する方法に比べると放射線障害の発生率は低いのですが、前立腺の周りにある臓器(直腸、膀胱、尿道)への影響は全くないわけではありません。また、適応も狭まり、腫瘍が前立腺内に限局している場合に限ります。
線源を体内に挿入するため、治療時に麻酔やアプリケータ針の刺入による侵襲は避けられません。
手術との比較
放射線を照射するため、放射線障害を生じる可能性があります。
また、手術と同等の治療成績ですがそれ以上の治療効果は望めません。
放射線を照射するため、放射線障害を生じる可能性があります。
また、手術と同等の治療成績ですがそれ以上の治療効果は望めません。
治療の手技
麻酔をかけた上で、両脚を挙げて、肛門から超音波のプローブを挿入します。
挿入された超音波の画像を見ながら、会陰部(陰嚢と肛門の間)から前立腺内へ筒状の針を挿入し、その針を通してシードを挿入します。
針を挿入する位置、線源を留置する場所はコンピュータで計算して線源が挿入されていきます。
全部で50~100個ほどの線源が留置されることになります。
挿入された超音波の画像を見ながら、会陰部(陰嚢と肛門の間)から前立腺内へ筒状の針を挿入し、その針を通してシードを挿入します。
針を挿入する位置、線源を留置する場所はコンピュータで計算して線源が挿入されていきます。
全部で50~100個ほどの線源が留置されることになります。
治療の適応
この治療法の適応は、腫瘍が前立腺内に限局した早期の前立腺癌です。当院では原則的に以下の条件を満たした方を治療対象としています。
これらの条件に合わない場合でも、他の治療法と組み合わせて行うことがあります。実際の治療はそれぞれの方の病状に合わせて決定しますので、当院の専門医とよくご相談ください。
- 診断時のPSA値が20ng/ml未満
- 臨床病期がT1-2 N0 M0
- 前立腺体積が20~40ml(40ml以上の場合はホルモン療法で体積を縮小させてから行います)
これらの条件に合わない場合でも、他の治療法と組み合わせて行うことがあります。実際の治療はそれぞれの方の病状に合わせて決定しますので、当院の専門医とよくご相談ください。
Space OARシステム
当院では治療成績の向上及び有害事象の軽減を目指して、小線源治療や強度変調放射線治療(IMRT)を行い、前立腺に放射線を集中させ、周囲の臓器への被ばくをへらすことで、有害事象(副作用)の軽減につとめています。
しかし、前立腺と直腸は近接しているため線量を下げることが難しく、直腸が影響を受けやすい状況です。そこで、前立腺と直腸の間にゲル状の物質を挿入し、前立腺と直腸の間を1~1.5cm程度離すことで直腸被ばくを軽減させる処置として、『Space OARシステム』を導入しています。
しかし、前立腺と直腸は近接しているため線量を下げることが難しく、直腸が影響を受けやすい状況です。そこで、前立腺と直腸の間にゲル状の物質を挿入し、前立腺と直腸の間を1~1.5cm程度離すことで直腸被ばくを軽減させる処置として、『Space OARシステム』を導入しています。
このハイロドゲル(Space OARハイロドゲル)は注入後、前立腺と直腸の間に3ヵ月間スペースを維持し、その後約6ヶ月かけて体内に吸収され消失します。
【方法】
超音波で確認しながら肛門より1~2㎝上に注射針を挿入しハイロドゲルを注入します。小線源治療の場合は治療時に行います。
超音波で確認しながら肛門より1~2㎝上に注射針を挿入しハイロドゲルを注入します。小線源治療の場合は治療時に行います。
経過観察
放射線照射後のがん細胞は1~2年程かけて徐々に死滅していきます。再発出現の有無は、定期的に血液検査を行いPSA値を見ていきます。再発がない場合にはPSA値は1年から数年かけて徐々に減少し、ある程度下がった所で安定します。局所再発もしくは転移が生じた時には、そのほとんどの場合にPSA値が上昇してきます。
治療後の炎症が軽快する1ヶ月後に当院の泌尿器科と放射線治療科を受診し、最終的な線源の配置を確認するためにCT、MRI検査を受けていただきます。当院での挿入後のチェックが終了した後は、かかりつけの医療機関で約3ヶ月毎に血液検査でPSA値の確認をして、経過をみていきます。
治療後の炎症が軽快する1ヶ月後に当院の泌尿器科と放射線治療科を受診し、最終的な線源の配置を確認するためにCT、MRI検査を受けていただきます。当院での挿入後のチェックが終了した後は、かかりつけの医療機関で約3ヶ月毎に血液検査でPSA値の確認をして、経過をみていきます。
治療費について
この治療法は線源代を含め保険適用となります。
(注)患者さん自身の御都合による治療の延期・中止に際しては線源代のみ実費にて、お支払いいだだきますので、御承知おきください。(例:挿入線源数80個の場合、504,000円)
(注)患者さん自身の御都合による治療の延期・中止に際しては線源代のみ実費にて、お支払いいだだきますので、御承知おきください。(例:挿入線源数80個の場合、504,000円)
退院後の注意
体内に挿入された放射線源から出る放射線はエネルギーが弱くほとんどは前立腺に吸収されます。周囲の方へ与える放射線量は人が自然に受けている放射線量よりも低く安全であることがわかっています。
しかし、一定の期間は周囲の方への配慮が必要となります。
しかし、一定の期間は周囲の方への配慮が必要となります。
治療後1年以内死亡時の対応
治療から1年以内に患者さんが死亡されたときは、病理解剖にて(前立腺ごと)シード線源を摘出することが法律で義務付けられています。このことについて、あらかじめ患者さんやご家族の方の同意を得た上で本治療を受けていただきます。