第1話 タバコと薬
2004年1月/磐田市立総合病院 薬局
当院では療養環境向上のため、平成15年6月から病院敷地内全面禁煙を実施しておりますが社会的にも禁煙への関心が高まっています。そこで今回はタバコと薬についての話題をお届けします。
タバコの怖さ
タバコが体に悪影響を与えることは多くの方がご存知だと思います。タバコは自分だけでなく吸わない人にまで悪影響を与えることになりかねません。受動喫煙とタバコの怖さを改めて考えてみましょう。
まず、受動喫煙とはどういうことでしょうか。受動喫煙は他人が吸う「タバコの煙」を吸わされることをいいます。この「タバコの煙」は主流煙と副流煙に分けられます。
主流煙とは喫煙者が吸うまたは吐き出す煙のことで、副流煙とはタバコから直接出る煙のことです。受動喫煙によって喫煙者はもちろん、非喫煙者もこれらの煙にさらされることで病気を発生する危険性が高まってしまいます。
では、なぜタバコの煙は有害なのでしょうか。
タバコの煙には有害な成分が多く含まれていますが、その中でも代表格として挙げられるものにニコチン、タール、一酸化炭素の3つがあります。
ニコチンは極めて強い毒性をもち、短時間で吸収されます。心拍数の増加や末梢血管の収縮作用をもちます。タールはベンツピレン等の多くの発ガン性物質か らできています。そして、一酸化炭素は血液中のヘモグロビン(酸素の運搬役)と強く結びつく事により体内が酸欠状態になってしまいます。それぞれ主流煙に 対する副流煙の含有量は2.8倍、3.4倍、4.7倍と副流煙に含まれる量が多くなっています。つまり、副流煙の方が厄介なわけです。
受動喫煙で周りの人に与える影響には、どのようなことが考えられるでしょうか。
ある調査によると、夫が毎日20本以上喫煙をしている場合、その妻は非喫煙者の夫を持つ場合に比べて、肺がんを発症するリスクが約2倍高まってしまうと いう結果がでています。与える影響では心臓や肺だけでなく全身のあらゆる部位に悪影響を及ぼします。
乳幼児に与える影響には、どのようなことが考えられるでしょうか。喫煙者のいる家庭の子供は、受動喫煙によって呼吸器系の疾患の発症率が高くなります。また受動喫煙とは関係しませんが、小さな子は誤飲の危険もあるので注意しなければなりません
胎児に与える影響には、どのようなことが考えられるでしょうか。妊婦が喫煙している場合、お腹の中の胎児は受動喫煙をしていることになります。その結果、喫煙している妊婦は非喫煙の妊婦に比べて流産や早産、先天奇形の発生の確率が高くなります。
まず、受動喫煙とはどういうことでしょうか。受動喫煙は他人が吸う「タバコの煙」を吸わされることをいいます。この「タバコの煙」は主流煙と副流煙に分けられます。
主流煙とは喫煙者が吸うまたは吐き出す煙のことで、副流煙とはタバコから直接出る煙のことです。受動喫煙によって喫煙者はもちろん、非喫煙者もこれらの煙にさらされることで病気を発生する危険性が高まってしまいます。
では、なぜタバコの煙は有害なのでしょうか。
タバコの煙には有害な成分が多く含まれていますが、その中でも代表格として挙げられるものにニコチン、タール、一酸化炭素の3つがあります。
ニコチンは極めて強い毒性をもち、短時間で吸収されます。心拍数の増加や末梢血管の収縮作用をもちます。タールはベンツピレン等の多くの発ガン性物質か らできています。そして、一酸化炭素は血液中のヘモグロビン(酸素の運搬役)と強く結びつく事により体内が酸欠状態になってしまいます。それぞれ主流煙に 対する副流煙の含有量は2.8倍、3.4倍、4.7倍と副流煙に含まれる量が多くなっています。つまり、副流煙の方が厄介なわけです。
受動喫煙で周りの人に与える影響には、どのようなことが考えられるでしょうか。
ある調査によると、夫が毎日20本以上喫煙をしている場合、その妻は非喫煙者の夫を持つ場合に比べて、肺がんを発症するリスクが約2倍高まってしまうと いう結果がでています。与える影響では心臓や肺だけでなく全身のあらゆる部位に悪影響を及ぼします。
乳幼児に与える影響には、どのようなことが考えられるでしょうか。喫煙者のいる家庭の子供は、受動喫煙によって呼吸器系の疾患の発症率が高くなります。また受動喫煙とは関係しませんが、小さな子は誤飲の危険もあるので注意しなければなりません
胎児に与える影響には、どのようなことが考えられるでしょうか。妊婦が喫煙している場合、お腹の中の胎児は受動喫煙をしていることになります。その結果、喫煙している妊婦は非喫煙の妊婦に比べて流産や早産、先天奇形の発生の確率が高くなります。
喫煙者率について
日本たばこ産業(JT)が行った2003年「全国たばこ喫煙者率調査」の結果が先頃発表され各新聞にも取り上げられました。
それによりますと男女合計の喫煙者率は30.3%となり、推計喫煙者数は3108万人と1年で44万人減ったことになります。健康志向を背景に男性、女 性とも減少しており、若者を中心にたばこを敬遠する層の増加や高齢層の喫煙本数減少などが進んでいるものと見られるとの見解がでています。(日刊工業新聞 より)
それによりますと男女合計の喫煙者率は30.3%となり、推計喫煙者数は3108万人と1年で44万人減ったことになります。健康志向を背景に男性、女 性とも減少しており、若者を中心にたばこを敬遠する層の増加や高齢層の喫煙本数減少などが進んでいるものと見られるとの見解がでています。(日刊工業新聞 より)
薬に及ぼす喫煙の影響
喫煙は各種疾患の危険因子であるばかりでなく、薬剤と相互作用を引き起こすことが知られています。
1. 薬物代謝の亢進(薬の効き目を弱くする)
喫煙によるニコチンや他の成分は、肝臓の薬物代謝酵素(薬を効き目のない物質に変える)の働きを促進するため、ある種の薬の血中濃度(体内の濃度)を低下させます。その結果、薬の効果が下がることがあります。
2. ニコチンの影響
ニコチンが副腎を刺激しカテコールアミン(ホルモンの一種)を多く出すため、血糖値が上昇することでインスリン注射の作用を弱くする可能性も考えられます。
3. 経口避妊薬などのホルモン剤服用時の注意
メカニズムはわかりませんが経口避妊薬などのホルモン剤を飲んでいる方では、心筋梗塞などの危険性が増すという報告があります。
禁煙について
当院では毎週水曜日に禁煙外来を設け、禁煙を希望される方の相談をお受けしております。
禁煙の実行では必要に応じて禁煙補助薬であるニコチン貼付薬(貼り薬)を使っていただきます。この薬は禁煙による離脱症状(タバコが吸いたい、イライラ など)に対して使用し、ニコチンを補充することで一時的に症状を軽くし、禁煙を容易にします。詳しくは担当医師にご相談ください。
禁煙の実行では必要に応じて禁煙補助薬であるニコチン貼付薬(貼り薬)を使っていただきます。この薬は禁煙による離脱症状(タバコが吸いたい、イライラ など)に対して使用し、ニコチンを補充することで一時的に症状を軽くし、禁煙を容易にします。詳しくは担当医師にご相談ください。
参考資料
クラヤ三星堂<健康情報>