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くすりの話

第25話 緩和ケアについて2 ~がんの痛み、がまんしていませんか?~


2010年7月/磐田市立総合病院 薬剤部
第22話で緩和ケアやその治療方法についてお話しました。
今回は【がんの痛みの治療】に使われるお薬や使い方などについてお話します。

具体的な痛みの治療法

痛みをとる方法として…
  • お薬を使う方法(錠剤・粉薬・水薬・坐薬・貼り薬・点滴)
  • 手術
  • 放射線療法
  • 硬膜外ブロック などがあります

痛みを和らげるお薬の使い方

痛みをやわらげるお薬は、効き方によって3種類に分けられます。
3種類のお薬の中から痛みの状態にあった組合せを選びます。

  • 痛み強さに応じてどの段階からでも始めることができます。
  • 痛みをやわらげる働きを助けるお薬が一緒に使われます。
  • お薬の効果を最大限に発揮させるには、決められた時間に飲むのがコツです。

消炎鎮痛剤

痛みを感じた時、初めに処方される薬です。これらの薬剤は鎮痛作用だけでなく抗炎症作用や解熱作用も持っています。関節痛や腰の痛み、抜歯後の痛み等に使われるお馴染みのものです。

よく使用されているお薬

アセトアミノフェン、ロキソニン®、ボルタレン®、 レリフェン®、オステラック®、モービック®(以上商品名)など
※それぞれ作用の強度、作用発現の時間、作用の持続時間、副作用などが異なります。
これらは主に錠剤ですが、内服がしにくい場合は坐薬や注射薬などに変更できます。

医療用麻薬

痛みが強くなってきた場合は、医療用麻薬を追加していきます。麻薬というとあまりいいイメージがないかもしれませんが、前回紹介したように痛みがあって適切に使用する場合は中毒をおこしたり依存症になったりすることはまずありません。

医療用麻薬の種類

モルヒネ製剤の主なものにMSコンチン®、パシーフ®、カディアン®、モルヒネでないものにオキシコンチン®、デュロテップ®(以上商品名)など
※お薬は痛みの具合に合わせて弱いものから強いものに移行したり、量の調節を行ったりします。
こちらも飲み薬が基本ですが、場合によって貼付剤や坐薬を使うことができます。毎日同じ時間に服用していただき、痛みがとれるちょうどよい量になるよう調節していきますが、痛みが安定していても突然痛みが出ることがあります。この場合はすぐに効果がでるタイプの医療用麻薬を使用し、痛みを最低限に抑えます。

鎮痛補助薬

消炎鎮痛薬や医療用麻薬が痛みをとる基本のお薬になりますが、さらにいろいろな薬を併用することにより痛みを和らげ、医療用麻薬の使用量を減らすことができる場合があります。このお薬を鎮痛補助薬といいます。
痛みが強いと神経を興奮してしまいますます痛みがひどくなったり、また気持ちが痛みに集中してしまい、 緊張、不安、恐怖が強くなったりします。また痛みのために不眠となり体力的にも消耗してしまいます。これらの対策のために抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬などを使用します。
医療用麻薬にこれらの薬剤を併用すると、医療用麻薬の量を減量できる場合があります。また神経そのものが障害されて出現する痛み、骨転移に伴う痛みなどは医療用麻薬が効きにくい痛みです。神経が障害されて起こる痛みには抗うつ薬やステロイドなど、骨の転移に伴う痛みにはビスフォスフォネートが有効である場合があります。

主にこれら3種類のお薬を組み合わせて使うことで、痛みのない生活が送れるようにお手伝いしていきます。

参考資料

塩野義製薬・JPAP 両ホームページより

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