脳神経内科
対象疾患
受け持つ疾患の主なものについてお話ししましょう。
頭痛
緊張型頭痛、片頭痛など色々種類がありますが、片頭痛は最近、トリプタン系薬剤と言う特効薬が次々と開発されています。
認知症
物忘れには、年齢による正常範囲のものと、病的なものとがあります。例えば、正常範囲の物忘れでは、その日の朝食に何を食べたか思い出せないことはあっても、人から言われれば思い出しますし、食べたこと自体は覚えています。これに対して、病的な物忘れ(認知症)では、食べたこと自体を忘れてしまい、人から言われても思い出せなくなります。
意識消失発作
突然気を失って倒れ、10分くらいで意識が戻る方が多いようです。居合わせた方は、少なくとも呼吸と脈を診て下さい。意外に思われるかも知れませんが、意識消失発作の殆どが原因不明なのです。心臓が止まりかける、血圧が下がる、癲癇発作、一時的に脳の血管が詰まる、のいずれかが原因と思われるのですが、この様な方を後から検査しても、何も異常が見つからないのです。例えば、意識の無いとき脈が極端に遅かったと言うことが判れば、大きな手がかりになります。
少し見方を変えて、受診をお勧めする症状についてお話ししましょう。
血管障害(脳卒中)
主な症状は、片麻痺(片方の手足の動きが悪い)、言語障害などです。
実質的に日本人の死因の第一位です (癌が一位とされていますが、これはあらゆる臓器の癌を合計しての話です)。
従来、治しようがないと言うことで、あまり熱心に診られないこともあった領域ですが、アメリカではブレインアタックと言うネーミングの元、キャンペーンがはられ、緊急疾患であると認識され直しています。確かに未だに治りにくい病気なのですが、「もっと早く受診してくれれば…」と思ってしまう場合もあります。様子がおかしいと思ったら出来れば1時間以内に来ていただきたいと思います。
実質的に日本人の死因の第一位です (癌が一位とされていますが、これはあらゆる臓器の癌を合計しての話です)。
従来、治しようがないと言うことで、あまり熱心に診られないこともあった領域ですが、アメリカではブレインアタックと言うネーミングの元、キャンペーンがはられ、緊急疾患であると認識され直しています。確かに未だに治りにくい病気なのですが、「もっと早く受診してくれれば…」と思ってしまう場合もあります。様子がおかしいと思ったら出来れば1時間以内に来ていただきたいと思います。
髄膜炎
頭痛、発熱、嘔吐が主な症状です。多くは無菌性髄膜炎と言って自然に良くなるタイプで、風邪と区別しにくいような症状なのですが、頭痛と嘔吐が強く、やや長引く傾向があります。薬で症状をぐっと和らげることが出来ます。
癲癇
脳の一部に、過剰に放電する細胞群があり、時々この放電が脳全体に広がって数分間の痙攣発作を生じる病気です。
薬が割とよく効いて、内服を続けている間は発作が起こらなくなります。
薬が割とよく効いて、内服を続けている間は発作が起こらなくなります。
パーキンソン病
片方の手が時々ブルブル振るえる、動きの遅さ、固さ、声が小さい、表情が乏しい、歩行が遅い等といった症状が数年にわたり進行してきます。脳の一部(中脳黒質)の神経細胞が徐々に消失していくのが病気の本態です。
薬が効く病気ですが、さじ加減が難しい病気でもあります。
薬が効く病気ですが、さじ加減が難しい病気でもあります。
アルツハイマー病
軽症から中等症の患者さんには、有効な薬があります。
取り組み
入院患者さんの半数が脳梗塞ですが、多くの方がrtPA(血栓溶解剤)とカテーテルによる血栓除去術を受けられるようにしたいと考えています。しかしrtPAは最後に健常であることを確認してから4.5時間(発見からではない!)、カテーテル治療は6時間以内でないと効果がないとされていました。当院は色々な専門科の医師が交代で救急診療にあたっています。脳梗塞が搬送された場合も脳梗塞を専門としない医師がまず診察して、それから脳神経内科医を呼んでいた時代は数時間の遅れは当たり前でした。そこで2011からは、救急隊から「脳梗塞を搬送する」と救急担当医に一報が入った時点で、脳神経内科医にも連絡し、救急室に駆けつけることにしたところ大幅な時短となりました。また、最終健常から半日ほど経ってしまってrtPAもカテーテルも時間切れとで考えられていたケースでもMRIを駆使することで治療効果が見込める例が見つかることが分かってきました。
診療統計
入院症例
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
脳梗塞 | 184 | 191 | 177 |
一過性脳虚血発作(RINDを含む) | 15 | 13 | 3 |
脳内出血 | 0 | 2 | 3 |
蜘蛛膜下出血 | 0 | 0 | 0 |
その他の脳血管障害 | 1 | 8 | 6 |
筋萎縮性側索硬化症 | 3 | 4 | 2 |
パーキンソン病 | 5 | 0 | 2 |
他のパーキンソニズム | 0 | 6 | 4 |
多系統萎縮症 | 2 | 1 | 0 |
脊髄小腦変性症 | 0 | 1 | 1 |
不随意運動疾患 | 2 | 0 | 0 |
その他の神経変性疾患 | 4 | 3 | 0 |
アルツハイマー病 | 0 | 0 | 0 |
血管性認知症 | 0 | 0 | 0 |
その他の認知症性疾患 | 3 | 3 | 4 |
免疫関連性神経疾患 | 6 | 5 | 10 |
末梢神経疾患 | 21 | 14 | 11 |
筋疾患 | 10 | 6 | 4 |
神経感染症 | 11 | 10 | 10 |
癲癇(てんかん) | 18 | 22 | 15 |
腫瘍 | 2 | 0 | 1 |
中毒性神経疾患 | 0 | 3 | 4 |
内科疾患、代謝性疾患に伴う神経障害 | 0 | 3 | 1 |
その他 | 21 | 39 | 32 |
小計 | 308 | 334 | 290 |
スタッフ紹介
藤本 正也
職名 | 第1医療部副部長 脳神経内科部長 認知症疾患医療センター長 |
出身校 | 浜松医大 |
取得年 | 昭和62年 |
専門領域 | 脳神経内科一般 脳卒中 |
資格 | 日本神経学会専門医・指導医 日本内科学会認定内科医 日本脳卒中学会認定脳卒中専門医 |
河野 達啓
職名 | 医師 |
出身校 | 浜松医大 |
取得年 | 平成30年 |
専門領域 | 脳神経内科一般 |
資格 | ‐ |
認定施設
- 日本神経学会専門医制度准教育施設
- 日本脳卒中学会専門医認定制度研修教育病院