病理診断科
科の特徴
「白い巨塔」や「フラジャイル」などのTVドラマでは病理医が重要な役割を演じていましたが、やはり、内科医や外科医と比べると病理医をご存知の方は少ないと思います。
病理医は「病気が良性であるのか、悪性であるのか?」などの判定(病理診断)を専門とする医師で、その仕事は多岐に渡ります。例えば、胃カメラの検査を受けてから「検査の結果を知らせますので、一週間後に来てください」と主治医に言われた状況を想定してください。次回の外来で「検査の結果、癌(悪性の病気)でしたので、一か月後に手術となります。」と言われるかもしれません。この短い言葉の中に、病理診断が隠されています。胃カメラで病気のありそうな部分から採取された直径約2mm大の胃の組織は、ホルマリンに入れられ、検査科に提出され、標本(プレパラート)が作製されます。その後、病理医が顕微鏡で標本を観察し、正常の胃の組織(細胞)とどこが違うか?を比較して、癌と診断します。この時に、特殊な染色や遺伝子の検査が必要になることもあります。さらに、手術で治すか、放射線や薬で治すか、新しい免疫治療を使うか、などの治療方針の決定に際して、癌の種類や特性、進み具合、検体が適正かどうかを判定することも求められます。このように臨床の医師と協力して医療に貢献する大事な仕事ですが、病理専門医は産科や小児科医よりもさらに少なく、全国に約二千数百名です。複数の常勤病理医がいる病院は大学病院を除くと多くありません。当科では、難しい癌の診断は一人では断定せず、複数の病理医で相談して診断しますが、その際には、標本を郵送したり、インターネットを使って多施設の病理医で診断すること(セカンドオピニオンやコンサルテーションに相当)もあります。
病理医についてもっと詳しく知りたい方は、日本病理学会ホームページをごらんください。
病理医は「病気が良性であるのか、悪性であるのか?」などの判定(病理診断)を専門とする医師で、その仕事は多岐に渡ります。例えば、胃カメラの検査を受けてから「検査の結果を知らせますので、一週間後に来てください」と主治医に言われた状況を想定してください。次回の外来で「検査の結果、癌(悪性の病気)でしたので、一か月後に手術となります。」と言われるかもしれません。この短い言葉の中に、病理診断が隠されています。胃カメラで病気のありそうな部分から採取された直径約2mm大の胃の組織は、ホルマリンに入れられ、検査科に提出され、標本(プレパラート)が作製されます。その後、病理医が顕微鏡で標本を観察し、正常の胃の組織(細胞)とどこが違うか?を比較して、癌と診断します。この時に、特殊な染色や遺伝子の検査が必要になることもあります。さらに、手術で治すか、放射線や薬で治すか、新しい免疫治療を使うか、などの治療方針の決定に際して、癌の種類や特性、進み具合、検体が適正かどうかを判定することも求められます。このように臨床の医師と協力して医療に貢献する大事な仕事ですが、病理専門医は産科や小児科医よりもさらに少なく、全国に約二千数百名です。複数の常勤病理医がいる病院は大学病院を除くと多くありません。当科では、難しい癌の診断は一人では断定せず、複数の病理医で相談して診断しますが、その際には、標本を郵送したり、インターネットを使って多施設の病理医で診断すること(セカンドオピニオンやコンサルテーションに相当)もあります。
病理医についてもっと詳しく知りたい方は、日本病理学会ホームページをごらんください。
取り組み
複数の病理専門医による病理診断
当科には2名の病理専門医が常勤しています。複数の病理医が診断にあたることで診断の精度を高める工夫をして正確な病理診断を迅速に報告できる体制を整えています。
特殊な技術を駆使した病理診断、遺伝子診断
組織を特別な方法で染める特殊染色や免疫染色について、大学病院と同等の技術があります。FISH検査については浜松医大と協力して行うことができます。
最近は、癌の診断に「遺伝子」検査が重要になってきました。当院は2000年より血液悪性腫瘍同定検査のできる病院として認められ、大学病院とも協力して癌遺伝子診断に力をいれてきました。2018年からは、リアルタイムPCR装置を導入、肺癌や大腸癌、乳癌、脳腫瘍、その他の癌の遺伝子検査が迅速に、さらに正確に行えるよう、準備を整えています。
最近は、癌の診断に「遺伝子」検査が重要になってきました。当院は2000年より血液悪性腫瘍同定検査のできる病院として認められ、大学病院とも協力して癌遺伝子診断に力をいれてきました。2018年からは、リアルタイムPCR装置を導入、肺癌や大腸癌、乳癌、脳腫瘍、その他の癌の遺伝子検査が迅速に、さらに正確に行えるよう、準備を整えています。
遠隔病理診断システムの構築
組織の病理診断はガラスの上に載せた標本を顕微鏡でみて診断しますが、この画像をデジタル化して、インターネット上でみられるようにすると、日本の、そして世界の専門家にも相談することができます。このような遠隔病理診断システムが求められていましたが、当科では2009年から浜松ホトニクスと協力し、可能となりました。
病理専門医の養成
当科では、過去10年で、これまでに2名の若手病理医が専門医資格を取得しました。日本中で病理医の不足が言われる中、大学病院や大病院と同等の病理医教育をめざして、中東遠地域の病理診断が今後も高いレベルを保てるよう、常に努力しています。
診療統計
病理診断科の検査件数
項目 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
細胞診 | 4,269 | 4,216 | 3,705 |
病理組織診断 | 6,316 | 6,229 | 6,821 |
術中迅速組織診断 | 237 | 241 | 276 |
病理解剖 | 18 | 13 | 16 |
スタッフ紹介
鈴木 潮人
職名 | 第3医療部副部長 病理診断科部長 病理診断センター長 |
出身校 | 金沢大 |
取得年 | 平成9年 |
専門領域 | 外科病理 腫瘍病理学 |
資格 | 日本病理学会専門医・病理専門医研修指導医、学術評議員 日本臨床細胞学会細胞診指導医 浜松医科大学臨床准教授 臨床研修指導医講習会修了 |
大西 一平
職名 | 科長 病理診断副センター長 |
出身校 | 浜松医大 |
取得年 | 平成23年 |
専門領域 | 外科病理 |
資格 | 日本病理学会専門医・病理専門医研修指導医 日本病理学会分子病理専門医 日本臨床細胞学会細胞診専門医 |
谷岡 書彦
職名 | 非常勤医 |
出身校 | 防衛医大 |
取得年 | 昭和58年 |
専門領域 | 外科病理 腫瘍病理学 血液病理学 |
資格 | 日本病理学会専門医・病理専門医研修指導医、学術評議員 日本病理学会分子病理専門医 日本内科学会認定内科医 浜松医科大学臨床教授 臨床研修指導医講習会修了 |
認定施設
- 日本病理学会:病理専門医制度研修認定施設B
- 日本病理学会:病理専門研修プログラム基幹施設