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トピックス

片頭痛は予防の時代へ



全人口の4割がもつ慢性頭痛

頭痛は一過性の頭痛もありますが、全人口の約4割は慢性的な頭痛を持っています。その中で片頭痛は約1/4を占め、その3/4の人には生活に支障が出ていると言われています。しかし、病院にかかったことがある人は片頭痛患者の1/4程度に過ぎません。磐田市でいうと、慢性頭痛患者は6万5千人を超え、片頭痛患者は1万5千人程いると考えられます。たかが頭痛ととらえられる人もいれば、頭痛により生活を脅かされている人も多くいます。

軽度の片頭痛は痛み止めの内服で対応できることが多いです。効果的な薬剤や内服するタイミングによって頭痛のコントロールが可能なこともあります。しかし、痛み止めを使用する頻度が増えると、薬物乱用頭痛と言われる難治性の頭痛になることがあります。

新たな予防薬が症状を改善

片頭痛発作が月2回以上ある人に対しては、予防療法を検討することが推奨されています。
 
近年、片頭痛の発症に関与しているCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)に対する薬剤が使用できるようになりました。この薬は、頭痛を起こさせる物質を、痛みを感じさせる神経に届かないようにします。高い片頭痛抑制効果が早期に発現し、副作用も少なく、約半数の患者が片頭痛日数を半分に抑えられているという結果が出ており、中には片頭痛が全く起こらなくなる人もいます。
 
片頭痛は体質的な要因が強く、なかなか完治する病気ではありません。しかし、新たな予防薬の登場により、より良く病気とつきあっていける状態となる人が多くなっています。

当院では、頭痛外来を開設しています。頭痛でお困りの方、患者さんの頭痛がなかなか治まらずお困りの開業医の先生方等からの受診、御紹介をお待ちしております。

脳神経外科 部長 天野 慎士

所属学会
日本脳神経外科学会専門医・指導医
日本脳卒中学会専門医
日本救急医学会専門医
日本認知症学会専門医
日本頭痛学会専門医
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