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トピックス

未来を守るための災害対策


2024年1月1日16時10分、石川県能登半島で、マグニチュード7.6(最大震度7)の地震が発生しました。磐田市立総合病院は発災直後の2日から、災害派遣医療チーム(DMAT)、災害リハビリテーション支援チーム(JRAT)の派遣や、日本看護協会の要請で看護師を派遣するなど、現地での支援活動に参加してきました。
被災者の支援を通じて、ふだんから、住民みずからが「災害に備える」という姿勢の大切さが見えてきました。家族や近隣の人たちと一緒に、何ができるか考えてみてはいかがでしょうか。

自身や家族の病気や服用薬、手術歴等の情報把握が重要/救命救急センター長・DMAT医師

当院では1月2日にDMAT(災害派遣医療チーム)第一陣を、被災地に派遣しました。その後も各方面からの支援要請に応じて断続的に、計5回(25日間)の支援チームの派遣を行いました。
 避難所支援の時に印象に残ったことは、避難してきた高齢者が今までかかってきた病気や飲んでいる薬を覚えておらず、また駆け付けた家族でさえも情報を持っていないことでした。災害が発生し、無事避難できても、健康な生活を送るには今までの情報が不可欠です。自身のこともそうですが、家族の情報も共有し、調べればわかるようにしておくことが重要だと感じました。
 私も両親に確認し、親が飲んでいる薬や手術のことを初めて知りました。災害対策として、自分や家族の情報(病気、お薬、治療歴など)を確認し、記録しておくことをおすすめします。

災害用トイレの使用訓練など、平時からの備えが必要/副看護部長・DMAT看護師

1月に能登町調整本部、2月に石川スポーツセンター(1.5次避難所、介護老人保健施設相当仮施設)と2回に渡り、活動させていただきました。災害時はいろいろな組織が共同して支援を行いますが、組織図が周知されていなかったことにより、縦、横の統制がなかなかうまくとれなかったケースがありました。災害時には新しい組織が作られますが、組織図を早い段階で明確にし皆に周知すること、日ごろから顔の見える関係を構築することがとても大切だと思いました。
 今回の震災では断水によるトイレ問題がクローズアップされました。また、下水管が破損した際、水洗トイレを使用し続けることによる衛生上の問題もありました。災害用トイレを使用する訓練の必要性を感じています。災害時のトイレに関して平時から考えていくことが必要なのではないでしょうか。

災害への意識を高めるため、地域や職場の防災訓練に参加を/経営企画課・DMAT業務調整員

DMATの業務調整員は、できるだけ多くの傷病者に医療を届けるために、現場の医療資源を有効活用するための情報収集などを行う、縁の下の力持ち的役割を担います。
能登半島地震での支援活動は、情報の収集・集約を中心とした本部活動を行いました。
災害時は、情報が混乱するだけでなく、自身も混乱し、命を守る避難行動ですら、どうしていいかわからない状況に陥ってしまうと予想されます。私たちDMATは訓練を繰り返し行いますが、今回の派遣でも、訓練で経験したことは落ち着いて活動に活かすことができました。
地域や職場の防災訓練へ参加することにより、災害に対する意識を高めることができます。いざという時に困らないよう、自分のために、家族のために、防災訓練に参加しましょう。

避難生活が終わった後もできる限り自分らしく自立して生活できるように/リハビリテーション科・医長JRAT医師

JRAT(日本災害リハビリテーション(以下リハ)支援チーム)として、当院リハ科医師1名、理学療法士1名、言語聴覚士1名が静岡県内での病院リハチームとして最初に能登半島地震のリハ支援で活動してまいりました。避難生活では否応なく身体活動量は減りますので、他の支援チームと連携を密にして、集団体操や避難所環境調整など、現地の状況に合わせたアプローチをすることが重要なポイントでした。災害時は、災害関連死の予防に重きを置いてしまいますが、避難生活における活動量の低下が病状の悪化、身体機能の低下などを引き起こし、避難生活後の暮らしに影響を及ぼすということも念頭に置いておきましょう。平時から地域で集団体操を行う習慣があれば、平時、災害時共に役立ちます。

お薬手帳、ペースメーカー手帳、緊急連絡先は常に携帯して/病棟看護師長

私は日本看護協会から依頼を受け、1月26~31日まで石川県金沢市に災害支援ナースとして派遣されました。派遣先は、今回の震災で初めて設置された1.5次避難所でした。
生活基盤や大切な人を失ってしまった気持ちに寄り添いつつ、保健師・介護士・薬剤師・リハビリスタッフなど複数の職種の方々と協働して、健康を守り自立した生活が維持できるよう支援することが、私たちの役割でした。感染対策などを看護の視点から提案しつつ、行政や多職種の方との連携の大切さと難しさを実感した派遣活動でした。
避難生活において、自分自身の状態を知ってもらう情報は重要です。お薬手帳やペースメーカー手帳、緊急連絡先などはぜひ持ち歩くよう、皆さんにもお願いしたいと思います。

簡易トイレの備蓄の必要性を痛感/経営企画課

石川県の穴水町で3日間、磐田市が派遣したトイレトラックの支援業務に従事してまいりました。ライフラインが寸断され水道やトイレが使えない中、トイレトラックは被災者をはじめ、応援に駆け付けている自治体職員の皆さまにも大変感謝されました。 
感じたことは、食料の備蓄はある程度あっても簡易トイレまで備蓄されている方が少なかったことです。簡易トイレの備蓄も必要であると痛感しました。被災地の復興にはこれから先長い時間がかかることと思います。今後とも被災された皆様の生活再建のために、微力ではありますが取り組んでいきたいと考えています。
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