グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


トピックス

腹腔鏡下肝切除術


中遠東圏で唯一、施術可能な病院として、地域の皆様の役に立ちたい

厳しい施設基準をクリアし、熟練した術者が実施

肝臓は人の体でもっとも大きな臓器で、栄養の貯蔵や有害物質の解毒、分解などの役割を担っています。病気になっても、症状が現れにくく「沈黙の臓器」と言われます。

肝臓は肋骨の後ろに隠れており、肝臓を手前に出して切除するために、おなかを大きく開ける必要がありました。当院は2020年、小さな手術創ですむ腹腔鏡下肝切除術を導入しました。中遠東圏で唯一、同術を行える病院として地域の皆様の役に立ちたいと願っています。

腹腔鏡手術は1cm程度の小さな穴を4~5カ所開け、カメラや各種器具をおなかに挿入。術者はモニターを見ながら、器具を操作して手術します。胃や大腸では一般的になってきましたが、肝臓では限られた医療機関でしか実施できません。

肝臓内部は太い血管がたくさんあり、肝切除は開腹手術でも難しい手術です。それを腹腔鏡で行うには相当に熟練した術者が必要で、厳しい施設基準が設けられています。私は術者として40例以上実施しており、当院は、「腹腔鏡下肝切除術を術者として10例以上実施した経験を有する常勤の医師配置」「腹腔鏡手術を年間100例以上実施」などの基準をクリアしています。

現在、腹腔鏡での肝切除は保険適用ですが、血行や胆道再建を伴うものは認められません。疾患は、肝細胞がん、肝内胆管がん、転移性肝がんなどが対象です。今年度、当院では約10件に対応する予定です。

術後の痛みが軽く、社会復帰が早い術式

腹腔鏡手術のメリットは、創が小さいため社会復帰が早く、術後の痛みが少ないことが挙げられます。さらに、手術中の出血やその後の合併症が少ないことも特色です。手術の翌日から離床、食事を開始し、10日前後で退院が可能です。

ただし、まず大切なことは、切除すべきがんがあった時、治療を完全に行うことです。腹腔鏡手術では安全に十分な手術が難しいと判断した場合は、開腹手術を選択します。心配なことがありましたら、お気軽にご相談ください。

副病院長兼第2医療部長兼消化器外科部長 坂口 孝宣

1989年、浜松医科大学医学部卒業。同大医学部附属病院等に勤務。2000年、米国マサチューセッツ総合病院留学。08年、浜松医科大学附属病院第2外科講師。17年、同大医学部医学科外科学第二講座准教授。20年4月岩田市立総合病院。
日本外科学会専門医、日本消化器外科学会評議員・専門医、日本消化器病学会専門医・指導医、日本肝胆膵外科学会評議員・高度技能指導医、日本肝臓学会専門医、日本胆道学会指導医、日本臨床外科学会評議員、日本腹部救急医学会評議員・暫定教育医・臨床データベース委員、日本がん治療認定医制度暫定教育医・認定医
  1. ホーム
  2.  >  トピックス
  3.  >  腹腔鏡下肝切除術