診療実績と安心の支援体制で 地域がん診療連携拠点病院(高度型)に指定
中東遠地域のがん拠点病院としてがん診療機能をさらに充実
当院は、2022年4月1日付で厚生労働省から「地域がん診療連携拠点病院(高度型)」に指定されました。12年前に中東遠医療圏唯一の「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受け、最善のがん医療の提供と種々の取組みを継続して行ってきました(図参照)。今では5大がん(肺・乳腺・胃・大腸・肝)を中心に、前立腺・腎臓などの泌尿器科領域のがんや子宮・卵巣などの婦人科がん、そして血液がん(悪性リンパ腫・白血病など)に至るまで、様々ながん種に対応できています。医師、看護師、薬剤師等の専門職のレベルアップや設備面での整備が進み、患者さんは中東遠医療圏に限らず、他の医療圏からも来院されています。
がん診療体制としては、専門職から成るチーム医療の下に、がん医療の3本柱である手術、がん薬物療法、放射線療法を効果的に組み合わせた集学的治療を実施しています。手術療法では創が小さく侵襲の少ない内視鏡外科手術が主流となっています。がん薬物療法の分野でも進歩はめざましく、がん細胞が持つ特定の分子(遺伝子やタンパク質)を標的として作用する分子標的薬が導入され、各種化学療法薬との併用で治療効果を上げています。放射線療法に関しては、がん組織へ高精度で効率よく放射線を照射する技術が治療に利用されています。当院では呼吸で移動する腫瘍にも追尾して狙い撃ちできる最新の治療装置を導入しています。
このような高度ながん治療を必要とする患者さんに対しては、身体症状に加えて、心理面でのサポートも欠かせないため、早い段階から専門職による緩和ケアチームが介入しています。そして、国民2人に1人ががんにかかる時代となり、がん相談の件数も増加しています。医療的な問題だけでなく、治療と仕事を両立させるための就労支援の相談にも応じています。「地域がん診療連携拠点病院(高度型)」は、より高度ながん医療を提供するために望ましいとされる種々の要件を満たした上で、当該医療圏でがん診療の実績が最も優れていること、高度な放射線治療が実施可能なこと、がん相談支援体制や緩和ケアセンターの整備、医療安全への取組みが評価されたものです。
がん診療体制としては、専門職から成るチーム医療の下に、がん医療の3本柱である手術、がん薬物療法、放射線療法を効果的に組み合わせた集学的治療を実施しています。手術療法では創が小さく侵襲の少ない内視鏡外科手術が主流となっています。がん薬物療法の分野でも進歩はめざましく、がん細胞が持つ特定の分子(遺伝子やタンパク質)を標的として作用する分子標的薬が導入され、各種化学療法薬との併用で治療効果を上げています。放射線療法に関しては、がん組織へ高精度で効率よく放射線を照射する技術が治療に利用されています。当院では呼吸で移動する腫瘍にも追尾して狙い撃ちできる最新の治療装置を導入しています。
このような高度ながん治療を必要とする患者さんに対しては、身体症状に加えて、心理面でのサポートも欠かせないため、早い段階から専門職による緩和ケアチームが介入しています。そして、国民2人に1人ががんにかかる時代となり、がん相談の件数も増加しています。医療的な問題だけでなく、治療と仕事を両立させるための就労支援の相談にも応じています。「地域がん診療連携拠点病院(高度型)」は、より高度ながん医療を提供するために望ましいとされる種々の要件を満たした上で、当該医療圏でがん診療の実績が最も優れていること、高度な放射線治療が実施可能なこと、がん相談支援体制や緩和ケアセンターの整備、医療安全への取組みが評価されたものです。
早期発見されたがんは治る時代に入り、急速な進化を遂げているがん医療はがんの原因となる遺伝子の変異に基づいて診断・治療を行うゲノム医療の時代を迎えています。本号の中でも触れているように、遺伝相談室を立ち上げ、がんに関する遺伝相談やカウンセリング外来を設けています。当院は今後も中東遠医療圏におけるがん診療の拠点として、時代のニーズに応じた質の高いがん医療を行って参ります。
磐田市病院事業管理者兼病院長
鈴木 昌八
磐田市病院事業管理者兼病院長
鈴木 昌八
診療科、職種を超えたチームで患者さんを支える「がん診療センター」
がん診療センターは当院のみならず地域の患者さんにとって最善のがん医療を提供できるよう、院内のがん診療をまとめるとともに診療所との連携や学校での教育といった地域内での企画調整、がん医療に関わるデータ集積と情報発信を行っています。「がん相談支援センター」、「外来化学療法センター」、「放射線治療センター」、「緩和ケアセンター」、「がんゲノム診療センター」の5センターを中心に、すべての診療科、栄養部門、薬剤部門、リハビリテーション等とも連携して診療科や職種をこえたチーム体制で、がん診療を充実させるために継続的に取り組んでいます。
がん診療を牽引する地域における連携拠点病院としての役割は、今後、ますます大きくなることが予想されます。これからも「医療の原点は思いやり」の病院理念のもとに、患者さん中心の優しいがん医療の提供につとめ、患者さんやご家族の不安や悩みに応えられる診療体制をつくってまいります。
副病院長兼がん診療センター長
飛田 規
がん診療を牽引する地域における連携拠点病院としての役割は、今後、ますます大きくなることが予想されます。これからも「医療の原点は思いやり」の病院理念のもとに、患者さん中心の優しいがん医療の提供につとめ、患者さんやご家族の不安や悩みに応えられる診療体制をつくってまいります。
副病院長兼がん診療センター長
飛田 規
遺伝相談室を新設
「がんは遺伝ですか?」 がんになった方のご家族から、よく聞かれる質問です。遺伝が関わるがん(遺伝性腫瘍)は全体の約5~10%にすぎませんが、がんになりやすい遺伝子の変化が、親から子へ50%の確率で引き継がれるため、不安になる患者さん・ご家族も多いと思われます。当院は、病気と遺伝の関わりについて、一人ひとりに合った情報を提供する「遺伝カウンセリング外来」を、浜松医科大学・遺伝子診療部の協力で行っています。
近年、がん治療薬を選ぶための遺伝子検査で、遺伝性腫瘍に関わる結果が出ることが増えています。このため、がん薬物療法専門医として、地域の方に遺伝性腫瘍の情報を提供できるよう努めています。また、遺伝性腫瘍は、『若年に発症』、『何回も発症』、『血縁者に同じようながんを発症』という特徴があります。遺伝カウンセリング外来での相談をご希望の方は、下記までご連絡ください。
近年、がん治療薬を選ぶための遺伝子検査で、遺伝性腫瘍に関わる結果が出ることが増えています。このため、がん薬物療法専門医として、地域の方に遺伝性腫瘍の情報を提供できるよう努めています。また、遺伝性腫瘍は、『若年に発症』、『何回も発症』、『血縁者に同じようながんを発症』という特徴があります。遺伝カウンセリング外来での相談をご希望の方は、下記までご連絡ください。
磐田市立総合病院 ☎0538ー38-5000(代表) 「患者相談支援室」へ遺伝に関する相談とお伝えください。 |
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消化器内科科長兼遺伝相談室副室長
瀧浪 将貴
瀧浪 将貴
浜松医科大学・遺伝子診療部の岩泉医師(右)
右から室長の大髙医師、副室長の瀧浪医師、看護師