グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


トピックス

時代とともに進化するがん治療を当院でも~がんゲノム医療~


施設間情報共有であなたの治療をしっかりサポート

がんゲノム医療は、がん遺伝子パネル検査により一度に100~300個ほどの遺伝子を調べ、遺伝子の変化にあわせて治療効果が期待できる薬を選ぶことです。

ただし、この検査は必ず治療法が見つかるわけではなく(薬の使用に結びつく人は全体の10%程度です)、誰でも受けられるわけでもありません。次ページのように、がんになりやすい遺伝子がわかる場合(遺伝性腫瘍の可能性)もあります。適切ながんゲノム医療を実施するために、当院では、主治医だけでなく、がん薬物療法専門医・がんゲノム医療コーディネーターなどがんゲノム診療センターがチームとなって検査しています。

当院は地域がん診療連携拠点病院に加えて、本年3月1日に厚生労働省からがんゲノム医療連携病院の指定を受け、中東遠地域で唯一がん遺伝子パネル検査が可能な病院になりました。当院以外の病院で治療を受けている患者さんでも検査を受け入れる、がんゲノム外来を始めています。がん遺伝子パネル検査には、病状、治療経過、家族歴などさまざまな情報を国立がん研究センターとやり取りしなければならないため、他施設から紹介されて検査する場合は情報収集のため当院の患者さんよりも多くの時間が必要となる課題が見えてきました。

各病院と適切かつスムーズな情報のやり取りがこのような課題の解消につながることから、当院では静岡県独自の病院間の診療情報を共有できる『ふじのくにねっと』を活用した紹介システムを構築し、連携していく予定です。今後は中東遠地区どこにお住まいの患者さんでも、主治医を介してがんゲノム医療をスムーズに受けられるよう、体制を整えていきます。

遺伝子検査で効果が期待できる薬の選択

中東遠医療機関の連携イメージ

ご自身の病気と遺伝に関係があるか気になったら気軽にご相談を

がんは、遺伝子が変化して起こる病気です。多くの方は加齢とともに遺伝子が変化してがんになりますが、生まれつきがんになりやすい遺伝子変化を親から50%の確率で引き継いでがん(遺伝性腫瘍)になる方も全体の5~10%います。

遺伝性腫瘍は、『若年で発症』、『何回も発症』、『血縁者に似たがんを発症』という特徴があります。特に、遺伝性乳がん卵巣がん症候群は、検査や治療にも影響するため注目されており、次に該当する方は検査を考える必要があります。
  • がん遺伝子パネル検査で指摘された方
  • 45歳以下の乳がんの方
  • 60歳以下のトリプルネガティブ乳がんの方
  • 2個以上の原発性乳がんの方
  • 第3度近親者内(曾祖父母、大おじ、大おば、いとこまで)に
  • 乳がんまたは卵巣がんの家族歴がある乳がんの方
  • 男性の乳がんの方
  • 卵巣がん、卵管がん、腹膜がんの方
  • 血縁者にBRCA遺伝子変異がある方
※トリプルネガティブ乳がんは、2つのホルモン受容体とHER2という蛋白の過剰発現のいずれも認めないがんのことで、転移を起こす確率・再発する確率が他の乳がんよりも高いことが知られています。
※BRCAとは、発がんを抑制する遺伝子の一つです。BRCAが変異することで、生まれつきがんになりやすくなります。
近年、がん治療薬を選ぶための遺伝子検査で、このような遺伝性腫瘍の場合に治療効果が期待できる結果がでることが増えています。当院では遺伝相談室が対応しており、相談をご希望の方は下記にご連絡ください。
お問い合わせ
磐田市立総合病院 
☎0538-38-5000(代表)
「医療・福祉相談室」へ遺伝に関する相談とお伝えください。

瀧浪 将貴

がんゲノム診療センター長
兼遺伝相談室副室長
兼消化器内科科長
  1. ホーム
  2.  >  トピックス
  3.  >  時代とともに進化するがん治療を当院でも~がんゲノム医療~