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アレルギー性鼻炎治療の最前線


アレルギー性鼻炎は、花粉、ハウスダスト、ダニなどのアレルゲンに反応して起こる鼻の炎症で、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、鼻のかゆみといった症状が見られます。特に日本ではスギ花粉症が代表的な問題となっており、毎年多くの人がその症状に悩まされています。治療法は進化を続け、症状の軽減から根本的な改善を目指すアプローチまで多様化しています。

アレルギー性鼻炎の治療法

薬物療法の進化

・抗ヒスタミン薬
抗ヒスタミン薬は、くしゃみ、鼻水、鼻のかゆみなどを抑える治療の基本です。アレルギー反応の一因となるヒスタミンという物質の働きを阻害することで、症状を緩和します。
第二世代抗ヒスタミン薬:フェキソフェナジンなど、眠気の少ない薬が広く使用されています。これにより、運転や仕事に支障が出にくくなり、日常生活での使いやすさが向上しました。

・抗ロイコトリエン薬
抗ロイコトリエン薬は、アレルギー反応を引き起こす物質であるロイコトリエンの働きを抑えます。特に鼻づまりに効果的で、抗ヒスタミン薬と併用されることが多いです。これにより、複数の症状を包括的に改善することが可能になります。

・ステロイド点鼻薬
ステロイド点鼻薬は、アレルギーによる鼻炎症状全般に効果的です。局所に作用するため全身への副作用が少なく、長期的な使用も安全とされています。近年のステロイド点鼻薬は速やかに効果を発揮し、その効果が長時間持続します。毎日継続的に使用することで、炎症を抑え、鼻詰まりを改善することが期待されます。

・減感作療法(アレルゲン免疫療法)
減感作療法は、少量のアレルゲンを定期的に投与して免疫を慣らし、症状を和らげる根本的な治療法です。即効性はありませんが、長期的な改善が期待でき、治療後も効果が持続するケースが多く見られます。
その中にも舌下免疫療法があり、舌下免疫療法は、アレルゲンを含む薬剤を毎日舌の下に投与する方法です。日本ではスギ花粉とダニを対象とした薬が広く使用されています。3~5年間の継続治療が推奨されます。治療終了後もアレルギー反応が和らいだ状態が続くケースが多く、患者さんの負担軽減に繋がります。
 舌下免疫療法は安全性が高く、アナフィラキシーなどの重篤な副作用が少ないことが確認されています。

外科的治療

薬物療法や免疫療法でも症状が改善しない場合、後鼻神経切断術などの外科的治療が選択肢となります。
下鼻甲介骨粘膜下切除術は、鼻づまりが重症化し、薬物療法では十分な改善が見られない場合に選択される手術です。下鼻甲介(「図1鼻の構造」参照)は鼻の通気を調整する構造で、この部分が肥厚すると鼻腔の空気の通り道が狭くなり、慢性的な鼻づまりの原因になります。下鼻甲介の骨と粘膜の一部を取り除くことで、鼻腔の通気性を改善します。
後鼻神経切断術では、アレルギー反応を引き起こす神経を部分的に切断し、くしゃみや鼻水を抑えます。この手術は、特に症状が重く、他の治療法で効果が見られない患者さんに適しています。

図1 鼻の構造

耳鼻いんこう科手術風景

アレルギー性鼻炎の治療は、抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬を中心とした薬物療法、根本的な改善を目指す舌下免疫療法、さらには外科的治療まで多様化しています。治療法の進歩により、日常生活に支障をきたすことなく、症状を効果的に管理することが可能になっています。個々の患者さんに合った治療法を見つけ、医師と連携しながら適切な治療を継続することで、生活の質を高めることが期待されます。
当院は、優れた医療設備と専門知識を活かし、薬物療法から外科的治療まで幅広く対応しています。先進的な治療にも積極的に取り組んでおり、個々の患者さんに合わせた最適な治療プランを提案いたします。
また、医師やスタッフが初診から専門的な治療、そして治療後のフォローとケアに至るまで、親身に対応しており、お子様や高齢の方にも安心して通院いただける環境を目指しております。鼻や耳、頸部症状でお困りの際は、一度当院へご相談ください。

大石 宏虎

耳鼻いんこう科医師
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